● 脂肪を溜めにくくするなら「食べる順番」がカギ
脂肪の蓄積を防ぎたいとき、多くの人は「食べる量」や「カロリー」ばかりを意識しがちです。もちろんそれも大切ですが、実は食事のときに「何から食べるか」という順番も、血糖値の上がり方に影響し、結果的に脂肪がつきにくい体づくりにつながります。
具体的には、ごはんやパンなどの主食を「最初から食べずに後半に回す」ことを意識すると良いでしょう。
● なぜ主食を最後にするといいの?
空腹時に糖質を一気に摂ると、血糖値が急上昇します。すると、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが大量に分泌されます。
このインスリンは、血糖をエネルギーとして利用しやすくしてくれる反面、余った糖を脂肪として蓄える働きもあるため、脂肪がつきやすくなるのです。
つまり、主食を最後にすることで血糖値の急上昇を抑え、インスリンの過剰分泌を防ぎ、脂肪の蓄積を抑えることができます。
● 目的別のおすすめの食べ方
1. 筋肉量を守りたい人 → たんぱく質から
筋肉を減らしたくない方は、まずお肉、お魚、卵、大豆製品などのたんぱく質から食べ始めるのがおすすめです。
たんぱく質はゆっくりと消化されるため、後からご飯などの糖質を食べても血糖値の急な上昇を抑えられます。また、お腹が満たされやすくなるので、食べすぎを防ぐ効果もあります。
(食べ方の例)
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筋肉量を維持したい人は、「たんぱく質→野菜→炭水化物」の順に食べるのがおすすめです。
ただし「おかずとご飯を一緒に食べたい」という方も多いですよね。そんなときは、最初のひと口目だけでもお肉や魚、卵、大豆製品などのたんぱく質から始めてみましょう。
最初に、少しでもたんぱく質を摂ることで、筋肉の材料となるアミノ酸を効率よく体に届けられます。そのあとに野菜でビタミンやミネラルを補い、最後にご飯を加えれば、無理なく続けられる「筋肉を守る食べ方」になります。
☆ 「たんぱく質とは何か」や「たんぱく質の機能性」、「たんぱく質の適切な摂り方」などたんぱく質についてもっと知りたいと思った方は、下記のリンクをクリックして他のコラム記事も読んでみてくださいね😊
● 三大栄養素と五大栄養素ってなに?元気な毎日をつくる食事の基本。 – 丸の内白馬亭
● 「たんぱく質はなぜ大切?」──毎日摂るからこそ知っておきたい「たんぱく質」の基本 – 丸の内白馬亭
2. 血糖値を安定させたい人 → 食物繊維から
血糖値が気になる方は、野菜、海藻、きのこといった食物繊維が多いものから食べるのが効果的です。
食物繊維は、糖質の吸収を穏やかにする働きがあるので、食物繊維を最初に摂ることで血糖値の急上昇を防ぎます。
「ベジファースト」(野菜を最初に食べる方法)は、この理論に基づいています。
(食べ方の例)
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まず小鉢やお味噌汁などの野菜から食べると、後から食べるごはんやパンの糖が吸収されにくくなります。そのあとに肉や魚、大豆製品などのたんぱく質を摂り、最後に炭水化物を食べるのがポイントです。
● 食事習慣の落とし穴
ポテトサラダに注意!
「いも類」は野菜の仲間ですが糖質が多めなので、「野菜だから安心」と先に食べると血糖値が上がりやすくなります。
・さつまいも → 特に糖質が多い
・じゃがいも → ご飯よりは少ないが、他の野菜よりは多い
・里いも → じゃがいもより少なめ
なので、いも類は野菜より炭水化物に近いイメージで後回しにすると安心です。
● 食べる速度にも注意!
食べる順番と同じくらい大切なのが「食べる速度」です。
早食いをすると、いくら食べる順番を工夫しても血糖値が一気に上がりやすく、脂肪をため込みやすくなります。ゆっくり噛んで食べることで、血糖値の上昇をゆるやかにし、満腹感も得やすくなります。
目安は一口につき20〜30回噛むこと。
また、一回の食事にかける時間は20分以上を意識すると、より効果的です。
難しいと感じる方は、次の工夫がおすすめです。
・噛み応えのある食材(れんこん、ごぼう、きのこ類など)を取り入れる
・汁物や飲み物で流し込まず、嚙む習慣づけを
こうした工夫で食事のスピードが落ち、順番を工夫した効果も最大限に発揮できます。
● まとめ
脂肪の蓄積を抑えるためには、「何を食べるか」だけでなく「どの順番で、どんな速さで食べるか」が大切です。
・最初の数口はおかず(たんぱく質や食物繊維)から
・主食(白米・パン・麺など)を最初からガツガツ食べない(結果的に主食の量が後半に回る)
・ゆっくりよく噛んで食べる(目安は1食20分以上)
この3つを意識することで、血糖値の急上昇を防ぎ、体脂肪として蓄積されにくい食習慣につながります。
今日の食事からぜひ取り入れてみませんか?😊